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「科学的な適職」 鈴木 祐 著

本の紹介

サラリーマンなら誰しもある程度は思うことだと思いますが、このまま今の職場に居ていいのかという月並みな悩みを最近よく考えており色々、自分の考え方を見直す意味で読んでみました。

前評判から単なる職業探しを目的とした本ではないと思っていたのですが、印象通りの本でした。
適職を導き出すとタイトルにありますが、本の内容は多くの研究結果から仕事という点において幸福度・満足度を上昇させる方法について書かれている本です。

構成としては

  1. 職業選択の基準についての誤解
  2. 幸福度を上昇させる要因
  3. 職場の8大悪
  4. 意思決定の方法
  5. 職場の評価方法と仕事方法の再構築

以上について書かれています。

職業探しという観点を基準にした内容ではありますが、働く中で自分のおける環境を最適化する方法について非常に論理的・統計学的に解説された本でした。
前半は職業選択の誤解について書かれており、続いてこれまで認識が間違っていたのなら、何に重点をおいて仕事を選べばよいのかを学ぶことができます。 続いて職業探しについて意思決定の方法を具体的な手法を落とし込んで説明されています。 最後に職場の評価方法と自分の仕事のやりがいを向上させる方法を、こちらも手法を用いて解説されていました。

内容について

第1章の「幻想から目覚める」から少し内容を紹介したいと思います。 一般的な職業選択の誤解について書かれており、本書を読んでいて最も印象に残った内容でした。

本章では誤解について7種類紹介されているのですが、私の場合その中の1つ「業界や職種で仕事を選ぶな」に完全にはまっていることに気づきました。
わたしは大学で情報工学を専攻しており、そのままIT業界に就職しました。その時点では一番自分にとってやりたいことがIT業界だったため就職したのですが、本書を読んで冷静に考えてみると単に他の可能性を排除していただけということに気づきました。
第4章で人は時間やお金を書けたことにこだわってしまうという「サンクコスト」について書かれているのですが、私の場合もこれに強く当てはまっていると感じました。
私は日頃から視野が狭くアイディアが中々出てこないと思うことが多いのですが、これは狭い業界のことしか知らず、そこにこだわっているのも要因の1つではないかと気づくことが出来ました。 このほかにも直観と乖離している内容が多く、まさに幻想から目覚めることが出来る内容だと思います。

感想

就職活動や転職活動の前段階として読むのにとても良い本だと思います。 一般的な誤解を持ったままより、この本を読んで誤解を解消してから行動したほうが上手くいきやすいと思います。

それだけではなく、日々の行動の中にまで落とし込める考え方が多く書かれていました。職業選択の意思決定で紹介されているプロコン分析やマトリックス分析はそのまま他のことにも応用できます。意思決定手法として紹介されているプレモータムやイリイスト転職ノートも同様です。
紹介されている手法をいきなりすべて使ってみるというのは難しいかもしれませんが、まずはどれか一つを意識しなくても使いこなせるようになれば意思決定による成功率を上げられると思います。

科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方

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